カートを見る

上棟式のいろは

2017年11月7日

<上棟式とは>

「上棟式(じょうとうしき)」とは、新築の際に行われる神道の祭祀です。

建物の守護神と匠の神を祀って、棟上げまで工事が終了したことに感謝し、無事、建物が完成することを祈願する儀式です。

一般的に、上棟式は、新築の家の土台が出来上がり、柱、梁、桁、力板などの骨組みが完成したあと棟木を取り付けて補強する際に行ないます。

最近では、略式という簡単な上棟式が多くみられ、神主を呼ばず、棟梁が中心となって儀式を執り行います。
略式では、棟木があがったあと棟札をあげ祭壇を設け、棟梁が祝詞を奏上し拝礼、それに続いて施主及び参列者が拝礼します。
また、神饌物(お供え物)は簡単な物を準備します。

このように、上棟式は昔のように、完成まで災いが起きないよう願いをこめて行なうものではなく、最近では、工事関係者に気持ちよく仕事を進めてもらうための、もてなしの意味が強くなっているようです。

 

<祭壇の飾りつけ>

まずは祭壇を作り、中央に「幣串(へいぐし)」を飾ります。

「棟札(むなふだ)」には表側に神様、裏側に建築主や設計者、施工者が書かれ、脇に置きます。棟札については一枚の板に表裏、墨で書くのが一般的ですが、古くは一枚ずつに墨で書きはりあわせたという話もあるようです。
棟札は棟梁が一番高い棟木に取り付けなどを行います。

この他に、供物(お頭付きや野菜、果物など)と洗米、塩、水が置かれ、お祝いの清酒と御神酒もおかれます。

<その他の「風習、ならわし」>

通常、上棟式に参加し屋根に登るのは、男性のみとし人数も奇数にします。

幣串と棟札は式が終了と共に祭壇から下げ、後に屋根裏に納めます。
これは家内安全、無災害を祈念するものです。
棟礼の表に書かれる「五帝龍神」「岡象女神」は、 どちらも鎮火防火を司る神と言われています。
上棟に際し、この家が火災などにあう事無く、末長く栄えるようにとの願いを込めて奉られます。

儀式後、施主は工事の無事と、職人へのねぎらいを伝える貴重な場として、「直会(なおらい)」という宴会を催すこともあります。

地方によって様々な風習があり、ある所によっては、棟から清酒を流したり、餅を投げたり、金を投げたりするところもあります。
上棟式の内容、用意するお供え物やご祝儀、引き出物など、地方によってかなり変わってきますので、事前に工務店の方に相談しておきましょう。